Min-Goo

時空を超えて紡がれる愛の物語
幼馴染みである優と舞が、どんなに絶望的状況においても諦めず、真っ向から過酷な運命と戦う姿が美しい。
 設定も、SFというジャンルに頼ることなく、確立された根拠の元、しっかりと練られており、序盤で抱く数々の疑問点は、後半できちんと解決されます。
 全体を通して、作者さまの作品への情熱、愛情、そして読者を裏切らない努力等が窺える素晴らしい作品。


 恋愛を中心に描かれた本作。
 純愛、狂愛、様々な愛し方が描かれており、非常に楽しめました。

 ですが、舞のレイへの想いが曖昧で、理解に苦しみました。
 舞の自己犠牲をも厭わない、慈悲深い優しさが描かれるのかと思えば、優との再会で、あまりにも呆気なくレイの気持ちを握り潰してしまって、違和感を覚えました。
 これでは結果的に、舞がただの偽善者に映ってしまいます。

 例えば、吊り橋効果、またはレイの抱える孤独に対する同情を愛だと錯覚するなど、優とレイとの狭間で揺れる舞の葛藤を描いたなら、自然だったかなと。
 それでも十分、舞の真っ直ぐさは読者に伝わるのでは?

 ド素人の主観的感想ゆえ、軽く聞き流す程度に。