伯修佳
評価するのが恥ずかしい程の名作
作品を読んで、完成度の高さに驚きました。何より文章に無駄がなく、情景描写がぱっと頭の中に広がります。
プロ並み、と言うよりは「実はプロなのでは?」と思わせる程の安定した筆致が否応なしに読者を世界に引き込みます。
記憶を失くした主人公は、右も左もわからないままに様々な人々と出会い、助けられ、そしてそれぞれが抱える『陰』を知って行きます。単なる主人公の記憶ミステリーではなく、人の内面に深く踏み込んだ、哀しく、切ないラブストーリーでもあります。
評価する星を5つ付けさせて頂きましたが、本当は6つ以上付けたい所です。ぜひ読んでみて下さい。