神水紋奈
散らぬ桜のある村で
主人公がとある村に足を踏み入れることから始まる、幻想的に綴られた不思議な物語。
春秋という人物を探して、その身一つで村にやってきた美夜。
美しい描写に、飽きることなく読み進めていくうちに、どんどん深まる謎と明らかになる謎。
とても興味深く、面白かったです。
薄気味悪い村で繰り広げられる、風習。
それを知っていくうちに、いちいち衝撃を受ける主人公と――自分自身。
人を惹きつけるその文章は、なかなか書けるものではないと思います。
そして、春秋がどこにいるのか――。
事実を知ったとき、この物語の結末を知ったとき――湧き上がってきた感情は言葉にできませんでした。
奇妙な物語、それがぴったりの、不思議な世界。
ぜひ読んでみてください。