「あたしと駆け落ちしない?」そう囁いたのは、何処までも甘美で、妖艶で、狡い女。愛してるなんかじゃ足りねえ。溺れてんだよ、オマエに。
「ねえ、あたしと駆け落ちしない?」
その言葉が、始まりだった
少し垂れ気味の二重に
口元のホクロ
真っ赤なルージュをのせた唇
全てが俺を欲情させる
「もう、逃がさねえ」
興味だけの、筈だった
きっと、それは必然──…
2015/03/05~