危人奇劇のオブザーバー【完】

作者鈴木あきみ

腹黒の修復屋、王子キャラの何でも屋、謎を纏う美しい情報屋にイカれた壊し屋――。色々な仕事屋が織り成す奇人奇抜な大人の青春ラブストーリー。





仕事場の電話が鳴り響く



気だるげな足取りとは対称的に

受話器に当てられた口元は小さく口角をあげ

営業用の落ち着いた声を放つ






"――はい、お電話ありがとうございます

……えぇ、勿論。仕事は完璧にこなしますよ


ただし、うちは高いですよ?


……は?相応な料金だと思いますが…、


え? ……あぁ、彼をご存知なんですね


いえ、常にと言うわけではありません


私一人で出来るモノが殆どですので


……呼べと? いえ、ですから…っ!


……ッ。切りやがった"




乱暴に受話器を置き、

気分転換にお気に入りのマッサージチェアに座り

ルームウェアのポケットから携帯を取り出す


通話が終わると携帯を向かい側のソファーに

適当に放り投げ


長くウェーブしたピンクベージュの猫っ毛の髪を

高い位置で縛ると 暫しの癒しを堪能するのである









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