片付けられた部屋を見回すと、案外いらないものが多いんだと実感した。
今までは部屋の風景と化していたそれも、今では私の部屋での一生を終えた証として、袋の中で運命を待っている。
ふと思い立ち、部屋の隅に積み上げられた本の中から1冊のノートを取り出す。教科書やら冊子やらに挟まれていたそのノートは何度も読み直されたのか、ページがよれよれになっていた。
私は迷うことなく目的のページを開く。
“また明日、この場所で”
ノートの端に書かれたその言葉を見るだけで、
嬉しいような寂しいような、
なんだか泣きたい気持ちになった。