NAO

みんな少しだけ弱虫だった
椎さんの美しい世界観に圧巻な、秀逸の作品!!
にじんだ涙を、あんなにも青く、そして儚く描ける作者さんは、椎さんしかいません。

壱も珀も真実も。
みんな自分の気持ちに嘘をついていた。
けれど求める気持ちはなくならない。
だから、嘘に生きながらも、どこかにある真実を、愛を、求めていた。
3人共にとにかく不器用。 現実を冷めた目で見ながらも、見ないふりはできなくて、向き合おうとしている。けれど、時折感じる不可抗力な引力には逆らえず、また心の中で葛藤を繰り返す。
彼らの曖昧な日々は、痛みが伴うけれど、鮮やかな感情に溢れた、生々しさすら感じました。
月や太陽、そして煙や雨、静寂。
情景描写を背景にした心理描写も見事です。

是非読んでいただきたいです!