トキワ 倖

読後感が心地よい作品
わけあって故郷を飛び出した主人公・詩多が、上京した先で知り合った個性あふれるバンドメンバーたち。彼らに溶け込み、認められ、ともに悩み、奔走しつつ自らも成長していく姿が小気味よいです。彼女が男性として惹かれていく游の存在もミステリアスで魅力的。
登場人物たちの背景がきちんと描かれているので、恋愛要素に留まらず、青春群像劇としても楽しめる作品です。さらに番外編の甘々さが読後の余韻を優しくしてくれます。
単なるサクセスストーリーではなく、夢を実現させることの厳しさも書き上げる力量をもった作者さまですので、大人の読者のかたにも自信をもっておすすめいたします!