白昼夢
耽美な世界を描き出そうという筆者様の想いが見えます。
登場人物の描写から得られる華やかな風貌は、読者の想像を彩り鮮やかに助けてくれます
ですがお嬢様設定の彩世さんが、あまりにも庶民に降りてきて、ただのボーッとした少女に見えます
例えばセリフで「へ…?」と言ってみたり授業を『フケる』と表現したり
ヴァンパイアとしての神秘性を常に忘れない方が良いと思います
前半ですが、出来事が昼なのか夜なのかわかりにくいです
彼女らの行動時間を考えて日常の描写を
またセリフが先に立ち、誰の言葉か読み手に後伝えになっている箇所も要検討
そして食事するシーンがたくさんありますが、血液を栄養素とするヴァンパイアが人間と同じ食事を取る理由は?
お茶の香りを好む吸血鬼は多々見ましたが、人間と同じ食事をこれだけ規則的に取るのは始めてです
趣味とか、そこに何か意味があるのなら、理由を書き出すことも新個性になるのではないでしょうか
司さんが彩世さんと紫音さんの交際を認める理由は、まさにヴァンパイアらしくて衝撃的でした
悠久の時間を生きている寂しさと諦めがこちらにも伝わってきましたよ
良い作品です