酒月柚夜
《中辛レビュー》
ヴァンパイアとして生まれてきた彩世。一世紀もの間自由を求め続けた彼女が出会ったのは、人間である紫音。親交を深めていくにつれ二人は互いに惹かれ始め……?
美しい世界観と切ないジャンルに入る二人の恋物語に惹かれる方は多々いると思います。シリアスな話が好きな方におすすめしたい作品です。
難点についてですが、まず情景描写が少なすぎ、登場人物の動作が把握できません。場面が変わる際も、もっと分かりやすくしてほしかったです。昼休みからいきなり授業にすっ飛んでいるところがあったりして、時の経過が把握できませんでした。登場人物の容姿もまた同様。『美形一族の中でもトップクラス』『息を呑むほど……』と言われても思い浮かびません。
展開が少し早いせいか、登場人物の心情が掴めないままストーリーが進んでいく感じが否めませんでした。それとヴァンパイアという特殊な設定を扱っている以上、それについてもっと説明が欲しいです。設定が生きていなく、作者様だけが理解していて読者側は置いてきぼりなところが多々ありました。
彩世の一人称もバラバラだったので『私』『あたし』『わたし』のどれかに統一して下さい。