霧桐朔耶

それぞれの気持ち
麻美を取り巻く人々のそれぞれの気持ちがとてもよく表されていて、読んでいて切なくなる作品でした。

暴走族物はよくあるのですが、主人公であるレディースの総長が亡くなる、という設定の話は初めてで、どんな話なのかとワクワクしながら読んでいました。最後まで読んでびっくり。想像以上でした。

麻美がどれだけ花蓮の事を大切に想っているか、また、哲がどんな気持ちで麻美を見ているのかなど、とてもわかりやすく表現されていて、読んでいて切なくなりました。麻美の最後が近づくたび、ハラハラしてドキドキして…最期が近づいてほしくない、と思ってしまいました。

サブキャラもとても魅力的で、視点がコロコロと変わるわけでもないのに此処まで麻美を想う色んな人の気持ちが表現できている事に驚きました。

ただ少し残念だったのは、会話文の所。会話文が続き情景描写が薄くなると、誰が喋っているのかわからなくなってしまう所が所々ありました。もう少し情景描写を入れれば更に良くなるのではないかな、と思いました。

しかし内容的にはとても良かったです。これからも応援しています。

更新、頑張ってください。