NOEL

仲間を愛する美しきレディースの最後の恋
仲間意識が高いレディースの話。個人的には好きですし、仲間の大切さを何度も感じ取れました。

しかしラストが残念です。

主人公の死は一番の見せ場で大切な点だと思います。作者さまもそう考えて、麻美の死後をつらつらと哲や花蓮メンバー視点、拓斗編で“麻美が愛されていた事実”を書いたのでしょう。

しかしそれが長すぎて、引退パレード後の死という感動的なシーンの余韻に浸れず、ずるずると文章が続いた末の完結。なんだかくどくて、それまでの気高く強い麻美の印象が薄れ萎えました。

個人的には、哲が線香をあげに行き花蓮メンバーに会い、麻美に愛し愛されたことを、"麻美が最後に愛した哲"の視点だけで短く終わらせた方がスッキリしたと思います。


書きたい、伝えたい。だから書いてしまう。私も書き手の一人なのでその気持ちも分かりますが、何が一番の山場なのか。何を最後に持ってきたら美しく終われるか。

それを意識して、思いきって会話などを減らすことも大切だと思います。

それでも、各キャラの気持ちや麻美の花蓮にかける想いが強く伝わってくる素敵な小説でした。