椅子に宝玉、時に鳳凰

作者桃谷いぬ

相変わらずのショートストーリー。短すぎて、怪しすぎて、後ひく物語り。さびれた古刹を訪れた私と彼女。求め合うお互いの心が終に……。

仏教芸術に興味などないはずだった。あるいはそれを妨げる魂が己れの心に潜んでいたのだろうか。しかし、確実にその魂に惹かれる吾がいた。己れに問う掌編。