うのたろう
舞台から好き
SF。
近未来の荒廃した日本というイメージを持つ作品でした。
文化や秩序がむちゃくちゃになってしまった、そんな世界。
空は灰色。
日の光などめったにささない。
そういう舞台のイメージです。
そのなかで現在進行形で起こっている、歌姫シェイと謎の男・斗哉の恋。
それは、この世界で生きる人々のわずかながらの希望のようにも見えます。
まるで暗い酒場で、そこだけスポットライトがあたっているような感覚。
物語は、歌姫シェイの視点で描かれていきます。
謎の男・斗哉に街のうわさ。
明言はされていませんが。
日を追うごとにシェイは頭のなかで、そのふたつを確実につなげている。
構成力が高く、また見せ場等による読者サービスも満載。
「恋愛話に共感」というのではなく、物語じたいをたのしめる、そんな作品です。
あまりくわしくは書きたくないのですが。
ひっくり返るシーンは、個人的に大好きです。
漫画のような読みやすさもありますので、ぜひ一度読んでみることをオススメします。
きっと「くわしく書きたくない」理由がわかると思います。