冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

亜希

2010年11月28日

ハードボイルドなラブストーリー いわゆる普通の高校生、実織と 裕福ながらも影を持つ紘夜 サスペンス、ミステリー、アクション そんな雰囲気が漂っています。 ですが、２人の愛も丁寧に描かれており、ストーリーに厚みを感じました。 冒頭での事件、 突然連れて行かれたお屋敷でのできごと 実織に待ち受ける運命は？ ハラハラしながらページをめくりました。 ラスト、 運命に翻弄される紘夜に正面から向きあう実織に、彼女の芯の強さを感じました。 続編もとても気になります！

綺麗 地位も名誉も金も…欲しいものは何だって手に入れられる絋夜が、普通の女子高生実織を助ける所から物語は始まります。 絋夜の闇に興味を持ち、次第に惹かれてゆく実織。 一方、絋夜は出会った瞬間に実織に惹かれていたのかもしれない。 唯一手に入れたかったが手に入らなかったものが、そこにはあったから。 人が血を流しているという冒頭。 その描かれ方が綺麗だと感じたのは、作者様の表現力なのでしょう。 ダークな部分も綺麗に描かれている作品でした。

冷たい雨の中で佇む男 『紘夜は甘い煙草と、苦い硝煙の匂いがした』 雨の夜に偶然殺害現場を目撃してしまった事から、犯人と疑われ襲われそうになる主人公の実織。 けれどそんな彼女を救ったのは真犯人であり暗殺者という闇を背負った紘夜。 なんというか 雨の夜に佇む黒い服の男の姿が想像出来ました。 その情景が紘夜という人間を象徴するような印象です。 物語を読んでいる間に、紘夜の明るさ(微々たるものですが)と暗さがセリフや行動から垣間見れ、その反対にある実織の無邪気な言動も鮮やかだと思いました。 なんというか、上手く感想として伝えられないのが悔しいところですが、設定やキャラクター、小物使いのエピソードも含めて私は大好きです。 面白かった！ アクションの部分も最高です！ 続編、楽しみにしてます。(・∀・) 作者様、素敵な作品をありがとうございます！