月森ゆら

過去の約束
幼い頃、交通事故に巻き込まれそうになった自分を助けてくれた男の子。

けれど小さな恋は
彼の家の引っ越しと共に離れ、1つの"約束"だけを残した。

そして数年が経ち
付き合っている恋人から転勤の話を持ち掛けられた主人公。

彼の事は好き。
けれど幼い頃の"約束"が彼女の思いを躊躇わせていた。

そんな時
まるで彼女を試すかのように、空から白いものが落ちてくるが……。

他の方のレビューにあったように、私もこの物語の"約束"は"枷"であると思いました。

現在を生きながら
幼い頃の彼との約束を忘れられず、恋人に対する思いに迷う彼女。

そして
約束を交わした"彼"にとっても、それは彼女とは別の意味での"迷い"だったのかもしれない。

私はそう捉えました。

シンプルな綴りでいて、約束に揺れる主人公の感情が伝わってくるようでした。

ラストは切ないですが、綺麗な物語でした。

オススメです!