如月 志乃

日常の偉大さ
海外に行って事故にあったまま消息を絶ったカメラマンの婚約者、何年も彼の帰還を待ち続ける莉緒。

そして、彼の幼なじみであり、莉緒の上司かつ最大の理解者である巧。


生還を信じて待ち続ける二人の姿や心情が分かりすぎて、もどかしくも切ない気持ちでいっぱいになりました。

運命的な出会いにより結ばれた、世界へ羽ばたく奔放な婚約者への想いや、長年日常を共にしてきた巧への想い。

その狭間で揺れ動いたり、目をつぶったり、とてもリアルな迷いに共感しました。


大事なものは何なのか、何を自分で選択していくのか、色々な事も考えさせられ、心に突っ込んでくる作品でした。


ラストはとても心温まる、納得のいく爽快さで、読後感がとても良かったです。


素敵な作品をありがとうございました!