高瀬なるみ
色褪せない初恋の思い出
毎回“それなり”程度付き合っていて最終的にフラれてしまう智也。
そんな彼には中学時代に初恋がいて、そして成人式で再会することになって――
好きな人だからこそ、その人の気持ちには嫌でも気づいてしまう。
傷つくことを恐れて、そのまま過ぎてしまうというのは、多くの人が経験しているものかもしれません。
初恋はその後の恋愛によく影響すると言いますし、
過去と現在の描写が上手く絡み合っていて、彼の気持ちが伝わりやすかったです。
リアルで感情移入しやすいだけに読んでいてすごく胸が痛みました。
再会した二人は、それぞれの世界を通して大人になっていて。
幼いからこそ出来なかったこと、大人になったからこそ出来ることがある。
淡い初恋をようやく言葉にして伝えることが出来て前向きになれそうな智也くんを見て最後読んでホッとしました。
大好きな作品とリンクしていて、また違った視点が見れてすごく嬉しかったです。
淡くて、苦くて、でもリアルで勇気も与えられる作品です。
心に残る素敵なお話本当にありがとうございました。