高瀬なるみ
丘の天使と初恋
主人公のまおちゃんは田舎に住む中学生で、寄り道をして帰っていたら“天使”に会った気がして――
温かくて、でも切なくて、ゆったりしていて、そして不思議な作品でした。
すごく静かな物語ですが、すっと胸に入り込んで胸の奥が温かくなって、でも同時にちょっと苦しくなります。
一人目の天使と二人目について考えていて、最後まで予想がつかなかったです。
本当に天使かなと思ったり兄弟と思ったり。
まおちゃんは中学生ですが、中学生ならではの幼さと同時にしっかりした面もある気がしました。
可愛いなあ、って全体を通して読むと思います。
あんな素敵な人を見たら気持ちが芽生えてしまうまおちゃんの気持ちも分かってしまって。
あの三人の姿を見た時の彼女の複雑な心境を思うと……。
ピュアで優しい物語ですが、なんだか一言では表せないような世界観でした。
自然の風景、リスやサルビアの蜜など子供なら親しみのあるものも作中にあり、中学生の彼女の世界に入りやすかったです。
読んだあとはやっぱり読んでよかった、と思えました。
とっても素敵なお話をありがとうございました!!