キ
ン
モ
ク
セ
イ
。
― 金 木 犀 ―
ここには
もう君へ繋がる道はない
ここでは
君の花は咲くことが出来ない
- 最終更新日
- 2008/06/08
- 作品公開日
- 2008/06/08
- ページ数
- 完結 47ページ
- 文字数
- 7,555文字
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- ゆうゆう
切ない ただただ、エリちゃんが可哀相に思いました。 家庭内暴力… 子供にまで手がいってなかっただけ良かったですが、 自分の母親の腕や顔に 残る痣を見て、エリちゃんはとても悲しい思いをしまんでしょう。 キンモクセイはよく近くに咲いてはあの独特な香りを匂っていました。 今でもあの匂いが漂ってきたら小さい頃を思い出す様に エリちゃんも、エリちゃんのお母さんも、 この男の人を思い出すのでしょう。
- airu
優しい勇気の香り。 2人が求め惹かれあったのは偶然なのか、必然なのか・・・・・ 彼女とエリちゃんの置かれた立場が不幸過ぎて同じ女性として辛かったです。 彼女達を救おうとした、彼の勇敢な姿が健気で切なかったです。 北海道へ行く事を望まなかったのは、彼への愛情と、彼の懸命な愛に、彼女は変われるからじゃないかと願います。 DVは脅迫観念がつきますが、母親としての心を忘れてない彼女ならきっと、負けない。そう信じます。 彼には切ない香りの記憶になりますが、彼女には優しさと勇気の香りとして彼を想い出す記憶になるんじゃないでしょうか・・・・・。
- 流星
真実の愛情 夏の終りに関東方面に出かけると、街全体に不思議な香りが漂っていました。 そうなんです、これこそがキンモクセイの香り。 私も主人公同様北海道在住なので、キンモクセイの香りは芳香剤などでしか知りませんでした。 街中に甘く漂よう黄色い花の強烈な香りには、かなり驚かされました。 そしてこの作品を読んで・・・花の咲き誇る時間の短さを知りました。 束の間の激しさと儚さ・・・。 主人公二人の愛の形に通じるものがあると思いました。 牢獄のような家、そして街から共に逃れようと懇願する青年。 外の世界に憧れを抱きつつも、これまで築き上げてきた日常を捨て去る事はできず、再び「牢獄」へと引き返していく人妻。 若かった彼にはこれが精一杯の努力だったと思いますが、結局何も変える事ができず、苦い思い出になったでしょう。 キンモクセイの香りは、一度匂いを覚えてしまうと、なかなか記憶から離れません。 その香りを思い出すたびに、彼の心の中には苦い思い出が去来するはずだと思います。 切ない作品でした。