久々に。
久々にレビューを書きたくなるような作品に出会いました。
とても素晴らしい作品だと感じました。


外国でひとを救うために勉強している糸くんと、彼とおつきあいしている円ちゃん。
その2人のなんてことない日常を描いた物語。

もう少し読みたかったな。そう思わせるような物語の長さが、まず絶妙でした。
書かれているのは2人の何気ない会話だというのに、そこから流れてくる空気感に、なんとも言えない気持ちにさせられます。

『その日』が訪れる前の、かなしい気持ち。
流れるように入ってきたそんな心情が印象的でした。

他の人には到底まね出来そうにない、独特、かつ優しい表現に、魅力を感じました。
誤字脱字もなく、読みやすく使い分けられた漢字とひらがなも、素敵です。

物語の中の不思議な空気感に、圧巻です。
とにかく、作者さまの文学的なセンスが光る作品です。

久々に魔法のiらんど内の良作に出会えた気がします。
とにかくどれをとっても褒め倒せるくらい素敵でした。
一読の価値ありです。