元少年兵の明王寺太は、日本人の父さんに引き取られた。日本の小学校に通う明王寺太は、新しい出会いの中で、果たして居場所をみつけることができるのか。

「僕は、好きで人殺しになったんじゃない」


外国で少年兵として生きていたことのある、明王寺フレデリック太。

自分に名前と家族をくれた父さんの元、初めて日本の小学校に行く。


「僕等の大切なものは、過去にあって未来にはない。僕等は若くして、余生を送っていたのだよ」


そこでは、黛あかつきという少女に出会う。


「これからどんなに絶望的な予想しかできなかったとしても、君が望む人がそこに居なかったとしても、僕等は未来へ向かって歩んでいく他に選択肢はないのだ」


初めて出会った日、クラスメイト達に長く美しい髪を切られてしまう彼女を目撃した。


「二人で逃げよう」

こんな場所から。


明王寺太の、自身の正気と狂気との葛藤。未だ、児童による殺人事件の余波を解決できずにいる教育現場。

色々な出会いと学びの中、成長していく明王寺太と、黛あかつきの長い青春の物語。

明王寺太の一人称で進む。


2013年構想、執筆開始。

2017年4月20日、魔法のiらんどに公開。連載開始。