悩み多き少年が天真爛漫な少女と出会い、失ったものを取り戻していく、そんなストーリーでしょうか。素朴なふたりのやりとりがかえって鮮明に映ります(脳内に)。仲を深めていくうちに過去の出来事を思い返す、王道でありながらサラッと一気に読んでしまいました。しかしながら、好奇心旺盛な周囲の面々、独特の世界観、ライトな文章がバランスよく、作者さまの個性が光り輝いております。
最後に二点ほど。ドラゴンは獣肉を食うのですね。しかも、猪と鹿。残り一点はジュライ氏の女性遍歴について。作者さまがぼやいていたことが作品を読んで納得しました。これからも拗らせたままフィニア女史に振り回されたらいいと思います。
とても素敵な物語をありがとうございました。お見事です。