一倉 エマ
描写がとにかく美しい。質の良い言葉選びと、豊かな表現が散りばめられていて、読後感が最高に気持ち良かったです。
感受性豊かなジュライ君に、いつの間にか感情移入してしまい、思い悩む姿に自分を重ねてしまいました。
複雑な家庭環境で形成された自分自身について思い悩む場面は、一見重く見えるテーマですが、爽やかな展開が続きつつ、説得力があったので、最後には問題がスッキリと解消され、読み応えがありました。
この読後の爽快感は、フィニアちゃんの明るくも気遣い溢れる性格に、とても好感を持てたからこそだと思います。特に後半にかけて、心が動かされる様なグッとくるセリフがたくさんあって、これは皆(読者も含め)好きにならずにはいられないと思います!
10代ならではの、明るく爽やかなファンタジーを読みたい方はぜひ!
繊細なジュライ君に話すフィニアちゃんの言葉に、ハッとさせられるかも…。