奈緒

残される者と逝く者、両者の気持ちが交差する。
最初は怖い話なのかと思いました。事故の話がリアルで痛々しくて、ホラーが苦手な私は文章を直視出来ませんでした。
だけど、それは最初だけ。

生と死を扱っていますがほとんど暗さは感じなくて、物語りの舞台が沖縄だからか、登場人物に愉快な人が多いからか、どこか爽やかな気持ちで読み進めることができました。

そしていつの間にか文章に魅せられて、徹平の短い生涯で関わった濃い人間関係に心を打たれ涙していました。

作品を読んで感じた事を書きます。


★不公平に思える世の中で、みんなに平等に与えられた唯ひとつのもの…それは“人と人との関わり・出逢い”。
★出逢いは、受け取り方やその人の活かし方によって、良い方向にも悪い方向にも万能に働く。
★出逢いを活かせなければ悪い方向に転がるからこそ、目の前にいる人を大切にする。
★人生で尊いものは、何なのか。

徹平の生き方から、これ等の事を私も学びました。
人生の答えが詰まった物語りだと思います。

見過ごしてしまいそうな大事なことに気付かせてくれて、ありがとう。
この作品、私は大好きです。長文失礼しました。