飛べない青虫の私は、あなたと同じ『あげは蝶』だった。

花から花へと
蜜を求めて飛び回る

卑しく哀れで、単純な漆黒の命

誰か 甘い蜜で
私を満たして…

蒼い空を舞う蝶は

その身を風に預け

ただ蜜を求め彷徨う。


ひらりひらり

自由に舞うその蝶に、

憧れていた

動けない蛹の私



また姿を見せる日を待ち焦がれるうち


いつしか

私も蝶になった。


春も夏も秋も

私は蜜を求めて

一人 さまよい続ける