繭結理央

魔法に肖る
カリスマを好んだ女はスティングの奏でたエイリアンのような女。依然、ベルリンの壁を越えられず、プリティ・ヴェイカントともいかない。ただ、カオスが金を生むと評価したマルコムのクールさは持っているだろうか。確かに、彼女のいう“喜び”もカオスが背景に感じる……。

武井彩の印象をピストルズっぽく表現してみた。で、私の経験則から得た印象を表現するなら「たぶんずっとこのままの人」。

だって、冒頭から漂うウェブ事情は彼女の知性を象徴するものだが、薹の立った教養表出ではなく幼い知識演出に見え、独身である理由をも暗に象徴しているかのよう。しかも彼女、センチメンタルであることに躊躇がない風情ときたもんだ(私にはそう見えた)。

たぶん……ずっとこのままなんだろうな。でも、そんな予測こそがこのエピソードの香味だったのかも知れない。

さて。

「クリスマスイヴには一緒にいた人を思い出す仕組みがある」と歌ったのはボニピンだが、なるほど、聖夜には“なんにもないワケにはいかない魔法”が宿る。

さぁ、今後、どんな聖夜が加わり、どんな魔法に私たちは肖れるんだろうか。