禁断のプロポーズ

作者菱沼あゆ

「課長っ!
 結婚してくださいっ」

「そうか。
 わかった。
 日取りの方はちょっと待て」

「課長っ!

 結婚してくださいっ」




 自販機の前で、直訴のように叫んだ志貴島未咲(しきしま みさき)。


 珈琲片手に遠崎夏目(なつめ)は言った。


「そうか。

 わかった。

 日取りの方はちょっと待て」


 姉の自殺の真相を探るため、あるツテをたどって、姉が勤めていた大企業に入り込んだ未咲。


 姉と同じ第二秘書課に配属されるが、そこは顔だけ良ければいいと言われる、通称『愛人課』だった。


 姉の日記に繰り返し出ていた同期の夏目に近づこうとするが、彼は実は、会長の隠し子で、いきなり遠い課の課長になってしまう。


 未咲は夏目に近づきたいと思うあまり、久しぶりに出会った彼に、勢い余って、結婚を申し込んでしまうが、何故か、夏目はそれを承諾。


 真相を追う二人の、奇妙な同居生活が始まった。