「お前、俺の子を産んでみるか?」
幻聴かな?
それとも、何処か違う場所から聞こえてきたのだろうか?
職場の駐車場で煙草を吸っていた男に、いきなり子供を産めと言われた蓮(れん)。
諸事情により、今すぐ子供がいると言い出す、訳のわからないイケメン社員(?)、渚(なぎさ)。
不思議と、彼と会うときは、いつも周りに誰も居ない。
そして、誰に訊いても、そんな社員は知らないと言う。
大手の会社を上司にビールをかけて辞めた蓮の摩訶不思議な派遣社員物語。
「この会社には、私に子を産めという悪霊が居ますっ」
「……いやあの、霊は居ないと思うよ」