その恋、記憶にございませんっ!

作者菱沼あゆ

 酔って、道端に立っているフライドチキンのおじさんを連れて帰ったつもりだったんです。
 でも、目を覚ましたら、そこに居たのは、スーツを着た男の人でした――。

 酔って、道端に立っているフライドチキンのおじさんを連れて帰ったつもりだったんです。


 でも、目を覚ましたら、そこに居たのは、スーツを着た男の人でした――。




 しかも、


「お前が結婚してもいない相手とは嫌だと言うから」


 婚姻届にサインがしてあるようです。


「あの、私、来月結婚するんですけど」


「重婚罪だな」


「借金のかたに結婚するんですけど」


「相手の会社を潰そう」


 この人、何処まで本気なんでしょうっ!?



 ああいえばこういう、謎の男、三上蘇芳に振り回されるOL、唯の日常。