工藤霧絃

美しい色
人間、生まれ持った色というものがあります。
それは姿形であったり、性格であったりします。
戦場じゃ大量殺人者が英雄ですし、詐欺師は素晴らしい俳優です。
どれが一番素晴らしいかは視点を変えるだけで、変わるもの。
ナンバーワンよりオンリーワンと昔、歌われましたが、それはそういう意味かと思います。

作中の主人公は良かれと思い、白い国に色を塗りますが、
その色のせいでその国は滅びてしまう。

しかし、色をほとんど求めず、一人残された少女は彼を許します。

善悪だけの二色では測れない、色の素晴らしさがよく出ている作品でした。