好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【完】

作者桜月真澄

月の夜に何かに襲撃されひん死だった真紅(まこ)を助けたのは、銀の吸血鬼。黎(れい)は、血を与える主にと真紅を望むが、真紅も知らないその血は鬼を滅ぼすものだった。

-さくらのちぎり-



初めて好きになった人は吸血鬼でした。



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私を助けてくれたのは、銀の瞳をした吸血鬼。


私に、血を与える主にならないかって言ったくせに、目覚めたらもういなかった。


もう一度逢いたい。でも、名前しか知らない。


‥そんな風に思っていたら、親友が入院してる病院で再会⁉︎


しかも私、「彼氏になって!」なんてことを言ってしまいました⁉︎



「……もう、逢わないって言ったのに……どうして、今いてくれるの?」


「なんでって……お前が激突してきたんだろう」


「でも、黎はそのまま姿を隠すことも出来たでしょ? 今だって……さっきだって、黎の方から来てくれた」


「ああ……その発想はなかった」


「そうなの? もう逢わないって言ったよね?」


「言った。でも……逢えたらいいな、とは思っていた」


私は、逢いたいと思っていた。


「真紅をこっちに巻き込みたくなかったから……置き去りにして悪かった」


そんなことを言われたら、気持ちがどんどん大きくなってしまう。


でも、傍にいられないのは私の方だった――。



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桜木真紅

Sakuragi Mako

陰陽師の大家・影小路と退鬼師・桜木の血を引く娘。

隠された正体のために、自分の出自を知らず育った。



小埜黎

Ono Rei

半分が日本の鬼、半分が英国の吸血鬼の青年。

真紅を助けたが、姿を消してしまう。



桜城架

Sakuragi Kakeru

真紅のクラスメイト。王子様然としている。



梨実海雨

Nashimi Miu

真紅の親友。病気がちで入院中。



桜木紅亜

Sakuragi Kurea

真紅の母。影小路の直系長姫でありながら桜木家に養子に出された。



影小路黒藤

Kagenokozi Kuroto

影小路家の後継者の陰陽師。

母は紅亜の双子の妹。



月御門白桜

Tsukimikado Hakuou

月御門家当主で黒藤の幼馴染。同じく陰陽師。

秘された本性がある。



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2017.7.22 綴りはじめ

2017.9.16 集結


Sakuragi presents




吸血鬼と陰陽師と退鬼師。

血をめぐる運命のダークファンタジー?開演です

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