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★悲壮な恋物語◆人情の機微など、丁寧な内面描写に妙なる才筆を感じます。悲壮な運命の渦動に翻弄されながらも、成長を重ねていく主人公が際やかに描かれていて、読み応えがありました。他面、言辞自体は整っていて判然と読過できたのですが、通じて場面の切り替わりに粗っぽさ・粗慢さが見えてしまいます。副詞や括進法、分かち書きなどによる文調の整理が望ましいと思うのですがいかがでしょう。世俗的な軟文学の枠に捕われない、心の内奥に訴える素晴らしい作品でした。妄言多謝。