小泉秋歩

可愛くてたまらないっ!
ともかく「うり」の可愛いらしさに悩殺されます。ひとつひとつの行動や言葉から目が離せなくて、じーーーーーっと観察していたい気分になること請け合いです。
お隣さんまで30分(以上)というド田舎を舞台に、隼人とうりの2人きりのスローライフな毎日。
畑で採った美味しい野菜を、不器用ながら苦心して料理し、2人で笑いながら食べる…そんなことが真の「豊かさ」なのだと実感させられます。

文章のテンポが良く、1ページあたりの文字量や空間の取り方も気が利いていて読みやすく、描写も的確で、読んでいるだけで映像が目に浮かびます。
また、コミカルな部分とシリアスな部分との配分も絶妙。
途中、一箇所だけ視点が変わる部分(うりがとうもろこしを取りにいくシーン)がありますが、視点が変化しているのに違和感がなく、上手いなぁと感心しました。
このとうもろこしのシーンは特に好きです。