朽ち果てた世界で彼女を愛す

作者榊 恋

―――ねぇ、お願いだから

「俺を貪るように愛してよ」

俺らは出会った。




朽ち果てた世界で。




同じ境遇の俺らが出会うことはきっと必然だったのだろう。











「俺を貪るように愛してよ」





そう言い俺は彼女の真っ赤な唇を塞いだ。