もう一つのお伽噺(MOONシリーズ 中編 完)

作者みづき海斗

現代版吸血鬼ファンタジー「MOON」シリーズです。裕希が和人たちと出逢ってから1年経ちました。そこにある少女が・・・ ・・・

かつて。この新宿には二人の『帝王』がいた。 『闇』の一族をを統べる吸血鬼一族の、その長である彼らは、『光』と『闇』とを統べる『唯一無二』の『帝王』の座をめぐり闘った---この新宿(まち)で。 そして---一人は永久とも思える深い眠りにつき・・・一人はこの現世(うつしよ)へ留まった。 陽の光を、『昼の住人』へと明け渡し、『夜』の闇を駆け抜ける---。 決して越えてはならない、『光』と『闇』の境界線を越えようとする者たちを、『帝王』の名にかけてその手で葬るために。