その身に呪いを受けていた魔女はいくら生を終えて転生してもそれまでの記憶と想いを引き継いで転生してしまっていた。
受けた呪いは『運命を縛り付ける呪い』と『永遠に結ばれない呪い』。
添い遂げるはずの彼を奪われ、転生したとしてもその運命を壊されねじ曲げられ添い遂げることは叶わない彼女はいつも雪の中で胸に短剣を突き刺して。
彼への想いを断ち切りたくて死んでいくのに。それは全く叶わない。叶うことなく転生した今世、彼女はまた死を迎える。
――――今まで思い出せなかった過去ともに、最後の奇跡と共に。
「あなたに、来世で、逢えるかしら……?」
哀し雪
これは、死にゆく魔女の哀しき物語。
※なろう、カクヨムにも掲載。