天美 泉
何よりも脆いモノ
どんな小説とも違う、独特の世界観。
一文字で表すなら『裏』……私はそんな印象でした。
男娼という馴染みのない職業、でもなんとなく、『普通』ではないんだろうなということが伺えたり。
主人公の思考が読めなかったり。
そんなフワフワとしたイメージが始終頭にありました。
でもそんな曖昧さがまた作品に味を出しています。
内容は同性愛なのに、単純にBLと言うのは失礼極まりないくらい深い。
ラストも、「最後まで救われないんだ」と暗くなってしまいますが、これで良かったと思います。
……むしろ彼は救われたのかもしれないけど。
ちょっとした息抜きになんかなりません。笑
たまには落ち着いて読者でも、そしていつもとは違う作品を、と思う人にぜひ。