地元人気バンドの瀬名瑠偉と自分を比較しては劣等感と嫌悪感が増すばかりの軽音部のリラ。けれど彼はリラにとって必要不可欠な存在へと変わってゆく…/思春期~大人編
秋晴れの心地よい陽射しと風の中
誰も立ち寄らないプール横の裏庭
花壇もベンチすらもない淋しい空間
けれど色付き始めた銀杏の木々が綺麗だった
私が爪弾くギターの音色に
キミは心を揺さぶるメロディを唇に乗せる
『はじめまして』の言葉もなく
そうすることが当然だったかのように
私とキミは、そこから始まった