私が、夜の繁華街で出会ったのはこの街を牛耳る暴走族のトップ。
その人は、冷たく不器用な優しさを持っていた。
何度も何度も、その人は私を助けてくれた。
私が、その人に恋に落ちるのも必然だったのかもしれない。
でも、彼には想い人がいてその人の帰りを待っている。
彼は、毎日ずっと待っている。
彼の隣に居るべき人の、帰りを。
私は、泣きそうな心を押さえながら彼の隣にずっといた。
たとえ、仲間のみんなが貴方を裏切っても私は貴方を守るよって。
そう、呟きながら。
それでも、彼が求めているのは私じゃない。