これは世界が滅亡する前の物語。

もし滅亡しかけている世界で生き残るための選択を迫られたら人間はどれを選ぶだろうか?何故聞いたのか妹の美夜が探しに行くお話。

問い:

もし滅亡しかけている世界で生き残るための選択を迫られたら人間はどれを選ぶだろうか?

①吸血鬼になる

②鬼になる


「どうでもいいんだけど、静かにして。今ゲーム中...」

6、7歳ぐらいの男の子がゲームに熱中していた。


「...っ!ちょっと星夜!それが本当に姉に対する態度!?もういいや。美夜は?」

自分のことを姉と言った女が頬をぷくっと膨らませながら女の子に聞いた。


「どちらでもない。」


「それって死ぬってこと?」


「うん何で?別に驚くことじゃないと思うけど。」


「何で⁉︎だって死んじゃったらやりたいこと出来ないじゃん!」


「だって吸血鬼と鬼ってもはやもう人間じゃないじゃん。私人間やめてまで生きたくないもん…ヨッシャ。」


「...チッ。俺も美夜に賛成。」

二人とも勝負がついたみたいでゲーム機を片付け始めた。先ほど星夜と美夜と呼ばれた二人はとてもそっくりなとこからして双子だろう。二人とも十中八九の人が認めるであろうぐらい美男美女だった。


「本当に似てるね〜でも二人ともポジティブにならない?ネガティヴすぎる。もうちょっとこう「私は人間をやめてでも生きる!って感じに。」


「じゃあそんなことを言ってる美月姉さんはどっちを選ぶ?」


「う〜ん。分からない〜その時になってみないと。」


『は?一番中途半端な答えじゃん。』


「まぁね。でもあなた達よりはマシだと思うんだけど。私は自ら死ぬという選択はしてないよ。」

美月姉さんと呼ばれた女がてへっとでも言うような顔で言った。


ちょうどその時、下の階から「ご飯よ〜」という声がした。


「ほら。ご飯出来たって。行こう!」


三人は下に向かった。だがいきなり女は何かを思い出したかのように立ち止まって悲しそうに呟いた。


「…もし本当にそんなことが起きるとしたら私はどっちを選ぶだろう…。」


「美月姉さんどうしたの?大丈夫?」


「ん?あ〜大丈夫だよ!行こう行こう!」


私はあの時何故そんなことを聞いてきたのか、何があったのか、しつこく姉に聞けばよかったと今を後悔している。いや、聞けなかったといった方がいいかもしれない。とりあえずあの時はまだ私は幼かったのだ。


あれから10年の月日があっという間に過ぎた。