高岡 みる
大切な人を失ったら…
雨の日に出会った彼、楓とと愛を育んでいた主人公の美月。
いつまでも続くと思われた平穏な日々は楓の死と共に失われてしまう。
それから、時が止まったかのように過ごしていた美月は楓と約束していた旅行に出掛け、そこで楓とそっくりな彼と出会い……
淡々と綴られる美月の日常は過剰な表現がないことで、よりリアルな喪失感が伝わりました。
旅行先で知り合う民宿のおばさんとその家族、その地域に伝わる伝説、楓が見せたかったもの、最後のキスとすべてが意味があり、抜群の構成力に思わず唸りました。
雰囲気は純文学とファンタジーの融合のような感じでしょうか。
心がすっと軽くなるそんな作品、おすすめです。