「人間なんて
“そんなもの”だろ?」
傷つくことを恐れ、
自分を守るためなら 他人を傷つける。
『そんなことない』
返ってくるのは、
いつもお決まりの台詞。
善人ぶらなくても、
認めればいいじゃねぇか。
自分は“弱い人間だ”って。
「お前はどう思う?」
だから俺は、
君もそう言うと思っていた。
……だが
「そうだね」
返ってきたのは、
思いもよらぬ言葉。
初めて肯定されたことに、
俺は驚いた。
自分は“弱い人間”だ
と言った君。
俺はそんな君を
“強い”と思った。