遠野ましろ

インパクトのある出だしを
P.1を見た瞬間、読むのを止めようかと思った。
女に変えれば全国百万人乙女が愛用する書きだし。
自己陶酔を読まされ女の死別をバラされ彼の無事を約束されオチまで見える。
どうしても使うのなら、表現の吟味が必要。
「覚えて」くどい。P.2への切替えも不自然で日本語が滅裂。
単語助詞の誤用も誤字も多過ぎる。(8章は何故に本文が無いのか)
山口の鸚鵡返しや地文含め、言い回しの連続がしつこい。

肝心の先生の笑顔が浮かばない。121通りの笑顔を知る男ならもっと書き込める筈。
目と笑顔のいずれも不足の故、山口と被らせるヒキとして弱い。笑顔のみに絞っても。

P.3の変装設定、無い方が後の抵抗が強まる。
P.4、桜の人物を語らないと初めての読者に不親切。
タイトルと絡む「呪縛の日曜日」。伝わらない。最終頁で「日曜日だっけ」と思い出す程度。タイトルコール含め取ってつけた印象。
「オレの日曜日は、気鬱な気分で始まる」でずばり始まるのも手。
井伏鱒二の台詞もミスマッチ。自賛の補足はまさに蛇足。

設定に感性は光るが(D@Cには笑った)、文体に個性が見えないのが残念。