mimiko

満月にかかる朧な雲が、眩しくなくて安心だと言ってしまう主人公
主人公、優葉さんの視点と感情だけで進むストーリー。

孤独なのでしょうか?
寂しいのでしょうか?

自分を客観的に分析する人間は、なかなかいないので、主人公目線の物語で表現されないのは当たり前ですが、
正直、読んでいても優葉さんと同調する……、という流れはありません。

ですが、彼女のことが気になって仕方がないという、そんな主人公です。


彼女を、拾った(!?)香月さんは不良。
その仲間たちも、文字通りですが、それはあまりストーリーには関係せず。

優葉さんが冷めているからですが、魅力的に書きあげた彼らの活躍の場面を、もう少し見たかったと思いました。
特にスモモくんがお気に入りなので、彼のブラックオーラをもっと見たかった。
二度目の誘拐時のシーンなんか増やして貰いたいなあと思いました。


優葉さんの感情をひたすら表現したストーリー。
小説と呼ぶには環境や背景がもう少し欲しい所ですが、青春/友情のジャンルより、もっとダークな感情も吐露して、純文学に位置させても通用するのでは?

キャラクターを魅力的に作り出せる筆力はすごいと思います。