願いが叶うなら④ ~春物語~

作者汐野悠翔

高2の秋、俺は進路の事で祖父と大喧嘩をした。

勢いで祖父の家を飛び出した俺は宛もなく夜の道をスクーターで走っていると、どこからともなく謎の声が聞こえてきて――

驚いた拍子に俺は交通事故を起こしてしまう。

そして気が付くと病院にいて、何故か俺の体は透けていた?!


もしかして俺は――死んだの…

高2の秋、俺は進路の事で祖父と大喧嘩をした。


勢いで祖父の家を飛び出した俺は宛もなく夜の道をスクーターで走っていると、どこからともなく謎の声が聞こえてきて――


驚いた拍子に俺は交通事故を起こしてしまう。


そして気が付くと病院にいて、何故か俺の体は透けていた?!



もしかして俺は――死んだのか?





17歳であっけなく命を終えた俺は、目覚めた先で一人の不思議な女性と出会う。



女性は言った。



「きっとこの世に未練があるから成仏できないんだね」と。



だが俺には分からなかった。

夢もなく、目標もなく、ただ惰性的に日々を過ごしてきた自分に、いったいなんの未練があるのか、俺にはまるで分からなかった。



そんな俺に、女性は言う。



「夢もなく、目標もなかった日々が、俺にとっての未練なんじゃないか。

ならば、今からでも遅くない。共に夢を探そう」と。



こうして俺は、死して初めて自分の夢と向き合う事に。



全ては無事、成仏を果たす為に――