――舞台は現代から1000年前の平安時代。
身分制度が厳しい時代背景の中、幼馴染みとして共に過ごした3人の男女がいた。

彼、彼女等は、いつまでも共にある未来を望みながらも、成長と共に大きく立ちはだかる身分の壁によって、やがて別々の未来へと歩み始める。


一人は貴族の姫として、政治に携わる道を。…


――『俺はお前に見合う男になって必ず帰ってくる。それまで待っててくれ』




身分と言う壁に阻まれながら、自らその壁を越えようと抗う。

たとえ一緒にいられる”時間”を犠牲にしたとしても




――『いつまでも側で。従者として貴方を見守って行く事を約束します』



ただ側にいられる事を願う。

たとえそれが、”気持ち”を犠牲にする事になるとしても




ある貴族の姫に恋をした二人の義兄弟。



姫を思う気持ちは同じ。


ただ愛し方が違うだけ。


ただ…それだけだったのに……



「どうして……どうしておぬしらが争わねばならぬのだ?」



己が信じ選んだ道を真っ直ぐに進んでいた3人は、いつしか抗えない歴史の渦へと飲み込まれて行く事に――





表紙





これは後に「平将門の乱」と呼ばれる歴史的事件を題材に、その裏に隠された男女3人の恋と友情、そして絆を描く物語。