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- 聖凪砂
閉じ込めていた想い
気づくことは無かった。気づかないように封印していた。
その気持ちは、ある事件をきっかけに少しずつその封印を解こうとする。
大学時代の憧れの先輩。その彼女から、突然の忠告。それは身に覚えのないことで、何のことかはわからない。だけど、おそらくそこから始まっていた。
何もしなければ、もしかしたら何事もないままだったかもしれない。だけど、皮肉なことに福山先輩のその行動が二人を結びつけてしまったように思えました。
だけど、そのことでずっと苦しみ続ける香奈。
すごく切なくて、また大杉先輩のところどころに見える香奈への気持ちや独占欲が、それに拍車をかけました。
想い合いながらも、伝えることのできない想い。
とても悲しく、読んでいる間もすごく胸をつかまれました。
最後の涼子の行動がすごくスカッとしました。
涼子のファンになっちゃいそう。 - mimiko
前にも後ろにも進めない大人の恋
思いがけない事件に巻き込まれ、前にも後ろにも進めなくなってしまった、主人公の香奈さん。
こんな時間を、もう十分に過ごして、苦しんで、自分の気持ちも見失っているような描写に、心が痺れます。
丁寧に書かれた女性視点が、不安定で切なくて、でも会っている時は幸せだという、複雑な女性の心情を表現していて、すばらしいと思いました。
頑なに名字+先輩呼びも、気持ちが理解できて、なおのこと切なかったです。
もう幸福になればいいのに、行く末が見えなくて、同調している読者も揺れます。
すばらしい文章力だと思います。
更新楽しみにしています。 - 瑚瞭
愛故の…
憧れだった大学の先輩。
その先輩との関係が良からぬ出来事で“愛”とはまた違う繋がりに。
読んでいて苦しく、また悲しい関係だと思いました。
望んでそうなった訳ではないのに、福山先輩への罪悪感からくるものなのか、日々幻惑や葛藤に悩まされる香奈さんが痛々しいです。
香奈さん視点で香奈さんから見た世界・感情しか解らないので、大杉先輩が何を考え香奈さんとの関係を続けているのか未だ解りませんが、きっとこれからの話で明かされていくと思うので、最後まで拝読したいと思います。
ちょっとした擦れ違いで起こりそうなリアリティのある男女の関係に、あたかも実際にあった出来事を見ているようにも思えました。
香奈さんには、どうにか幸せな恋愛をしていただきたいです。