マロン

描写が丁寧
初めて読んで一気読みしました。
前半から後半への流れに乗せて、だんだんと1ページあたりの文字数が増えていくけれど、描写が丁寧で世界観に浸りやすい書き方なので、すんなりと読むことができました。

作者がどれだけ狂言を愛しているのかが分かるくらい、きちんと調べられているので、難しさを感じる前に知らず知らずに引き込まれて、狂言を観てみたくなります。

京都、福岡、鹿児島と舞台が移るたびに、美しく描かれる場所場所に行ってみたくもなるし、美味しそうな食事シーンのたびにおなかが鳴りました。

主人公の逸晴と彩がお互いの名前を呼ぶときだけ、片仮名で表記されている呼び名も特別な感じがして可愛かったです。

胸がどきどきするほど運命的な二人の出会いから、ページをめくるたびに、ドキドキハラハラしっぱなしでしたが、こんな風に愛されたいという女の子の憧れがつまった作品だと思います。

いろいろあったみたいですが、応援しているファンのために最後まで書き続けてください。