あなた様が、幸せに包まれますように…
番号のある椅子
それは、大通りからまっすぐに伸びる銀杏並木へ入り、銀杏の木6本目を左に曲がると見えてくるコーヒーの香りに包まれた小さなお店の物語です。
木製の大きな扉がゆっくりと手前に引かれて、ゆっくりとした足取りの老人はカウンター奥から2番目の椅子にゆっくりと腰かけました。
カウンター越しでカップを磨いているマスターに「瑠璃色のカップでモカを下さい。」と言いました。